ゆめみるこぎん館 / 作り手の現場 #005
北東北エリアマガジンrakraさんのPOP UP STORE 『小さな旅』の開催にあたり、こぎん刺しのルーツを探しに私も弘前へ。雑誌内でも特集されている『ゆめみるこぎん館』を訪ねました。
ゆめみるこぎん館へ
伺った日は7月下旬。
大きく立派な建物。
古い歴史を感じる物から、華やかで新しさを感じる物まで。
中に入ると沢山のこぎん刺しが並びます。
ここは石田昭子さんが津軽地方の民家を訪ねて歩き集めた、古いこぎん刺しの着物や布を数多く展示しています。
現在は孫の石田舞子さんが、この『古作こぎん』を展示管理されています。
古いこぎんは江戸時代から明治時代に作られたものと推定されており、ざっと130年〜150年前の物になるんだとか。
こぎん刺しのルーツ
藩政時代、弘前藩の厳しい戒律によって、綿を着る事を規制された津軽の農民たちは麻を着用、寒さ厳しい津軽の地で農村の女性たちは麻布を織り、布を暖かく丈夫にしようと刺すように。
それがいつしか幾何学模様の美しい柄を生み出したのが『こぎん刺し』のルーツなんだそうです。
江戸〜明治期に作られた古作こぎんは地域により『西こぎん』『東こぎん』『三縞(みしま)こぎん』に大別されます。
模様の意味
模様にはそれぞれの意味があります。
例えばふくべというひょうたんの柄は『子孫繁栄』『無病息災』
だんぶりこというトンボの柄は『勝利を呼ぶ勝ち虫』
紗綾形は『家の繁栄』『長寿』
などなど。
以前からこぎん刺しは単純に可愛い柄だなと思っておりましたが、そんな背景や意味があったのだと思うと感慨深く、知れてまた一段と面白さを感じました。まさに用の美ですよね。日常の生活の中から生まれた美しさです。
編集としての顔も
石田舞子さんは編集者としての顔もお持ちで、こぎん刺しの歴史や現代の作家さんなどへのインタビューをまとめた『そらとぶこぎん』『そらとぶこぎん』(津軽書房)というこぎんにまつわる本の編集メンバーでもあります
こぎん刺しを使ったインテリア
館内には襖にこぎん刺しをあしらったものも。とても素敵でした。
椅子の座面にこぎん刺しを張り込んだ物も。
ファブリックパネルなどもありこれもまたグラデーションが良い感じです。
気になった方はぜひ一度ゆめみるこぎん館さんを訪ねてみてくださいませ。
※ゆめみるこぎん館さんは予約制の為、お問合わせの上お出かけくださいませ。
rakra pop up store は8月24日から
POP UP STOREでは貴重な古作こぎんをお借りして展示します。また、刺し子としても稼働される石田舞子さんの作品も展示販売します。ブックマークにコースター、刺し子の体験キットなど。また、ファブリックパネルもオーダーメイドして頂けます。
画像はrakraの編集長がオーダーしたファブリックパネル。
先ほごご紹介した模様の意味などにもこだわってオーダーして頂けます。
ぜひこちらも合わせてお楽しみくださいませ。
–
rakra POP UP STORE『小さな旅』 at kurashimeku
2024年8月24日 – 9月8日
(※9月3日 – 6日は店休日となります。)